そう言ってから振り返り

 警部はそう言ってから振り返り山下を見た。間違っても振り返りながら言ったわけではない、意味が違う。振り返りながら言うと、オフレコの意味が判らなくて山下に聞こうとする訳だが、言ってから振り返ると『お前分かっているな』と言う意味だ。

 山下はOKのサインを手で作って、俺を見ている。明らかに嬉しそうな顔だ。彼の顔の意味は知っている『俺だけが特ダネを掴む事が出来る』そんな顔付きだ。
「とりあえず上がって下さい。警部が落ち着かなければ、私も落ち着いて話す事が出来ません」
「そうだな。おい、山下。上がろうか」

 そう言って二人は事務所の中に入ってきた。

 どうして山下が来ているのだろうか。不思議に感じたが、彼も何かの仕事をしなければ社会人として食っていけない。あまり詮索する必要はないと判断した。そして考えた。二人に椅子を勧めたくても、その椅子はふたつしかない。当然俺も必要だから椅子に座るのは諦めて、奥の部屋に案内した。

 当然そこも狭いのだが、そこなら三人が車座になって話をする事は出来そうだ。だが、返ってその方が話しに集中できる雰囲気が有った。そして俺が昨日、一樹から聞いた話をそのまま彼達に話した。

 警部は神妙に話を聞いていたが、山下は嬉しそうな顔をしたままだった。その山下に気が付いた警部はギロリと目玉を動かす。それだけで山下の顔付きが変わり、つまらなそうな顔をした。そして三人の中で最初に口を動かしたのは警部であった。その警部は誰ともなく話しているようで、どちらかと言うと自分自身に言い聞かせる感じだった。

「だがなー、大友、その話は信じるが、証拠がない。一応西署に話はするけど、証拠がなかったらなー逮捕出来ないからな。俺だったら、すぐに踏み込んで証拠などでっち上げるけどなー」

 確かに警部の言うとおりで、確かに一樹の話には証拠が無かった。警察は証拠が無ければ、犯人が幾ら何を言おうが、罪には成らない。例えば、犯人の自供に基づいて捜査をして殺害の道具に使った凶器が見付からなければ、起訴する事は出来ない。

広島「輸入自動車ショー」行ってきました

アルファロメオだったかな? クラッシックカー、ってそのままや
典型的なアメ車です BMWだったと思うけど、定かではない

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